「箱男」2026.9
もうずいぶん前のことですが、9月6日、「箱男」で読書会を行いました。じつは「箱男」を扱うのは初めてではなく、仙川KOBOの前身である「仙川安部公房生誕100年祭実行委員会」の主催イベントとして一度取り上げたことがあるのです。もう2年も前のことになります。そのときにもたくさんの方にご参加いただきましたが、2年ぶりの「箱男」読書会にも、20名以上の方が参加してくださいました。改めて、この作品の人気ぶりが実感されます。
今回も、90分間のなかで皆様にたくさんご発言いただき、様々な角度から作品について検討していきました。毎回思うのですが、参加者の数だけ新たな気付きを得らるのが、この読書会の醍醐味です。今回の読書会でとくに印象的だったのは、「覗き」や「匿名性」などの観点から、箱男とSNSとの共通性について言及する意見や、さらには、語りの構造とAIとの類似性を指摘する考察など、きわめて現代的な視座から作品を捉えなおそうとする試みの多さでした。安部公房の作品は、やはりいつまでも新しい。改めてそう実感させられる読書会でした。
さて、読書会のあとには、いつものように「Cafe & Bar aZi」にて懇親会を行ったのですが、今回は懇親会の会場で、高校の授業をきっかけに安部公房にどっぷりとはまってしまったという高校2年生に、安部公房についてのプレゼンを行ってもらいました。文化祭で発表したものをさらにブラッシュアップして披露してくれたのですが、若い人の心にも届くような工夫が随所になされた、たいへん見応えのあるプレゼンでした。あっという間に終わってしまったように感じたのですが、じつは40分も語り続けていたのです。それくらい聴衆を引き込む、若さと安部公房への情熱に溢れたすばらしいものでした。鳥羽先生からも、しっかりお褒めの言葉をいただけたようです。

次回の読書会「鳥羽耕史先生と読む安部公房」は、「方舟さくら丸」です。11月1日(日)、つまり来週の今日ですが、まだお席に余裕があります。ご都合のつく方は是非ご参加ください。